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南極の図書館

ペンギンが寝ていた…。

「スティーブ・ジョブズ1」読了

表現 Mac book

1を読み終わった。ジョブズの伝記ではあるが、私はウォズニアックが出てくる度に興奮した。
残念ながら、後半ではウォズはほとんど出てこない。その役割はジョン・ラセターが代わって引き受ける。
大きく見ると、前半はウォズのパトロンとして、後半はラセターのパトロンとして活動したことがジョブズの成功の素だった。
おそらく2ではそういう色が薄まり、ジョブズ自身の活動がメインとなっていくのだと思う。
ここでは、本筋とは違うが主にウォズに関する箇所について書いていく。

アタリのボーナス

ウォズは親から、エンジニアリングが世界で最も重要なものであること、正直であること、そして中庸が一番だということを教えられて育つ。
最初の有名なエピソードは、アタリでジョブズの仕事をウォズが手伝うシーンだろう。
ウォズは「複数のエンジニアが2〜3ヶ月かけてつくるゲーム」をたった1人、4日完徹で完成させる。
ただその天才性よりも「そのボーナスをジョブズがちょろまかした」というエピソードの方が有名で、それについてP101にいろいろと書かれている。
ウォズは「正直に言ってくれたらよかったのにとは思うよ。お金が必要だと言ってくれればぼくの分はあげたのに。彼は友達で、友達は助け合うものなんだから」と言っている。後述のIPOの件も含め、ウォズの人柄が表れている。

アップル設立

アップルIを作ったときも、ウォズはみんなにタダで配ろうと思っていた。
そこでジョブズが「売ったほうがいい」と言い、会社を作ることになる。
ウォズは当時貧乏だったが、お金が儲かるかどうかよりも、自分の会社が持てることに興奮する。

「自分たちがそんなことをすると思っただけで元気が出たよ。親友とふたりでいっしょに会社をはじめる。すごい。すっかりその気になったよ。やるしかないよね」


そしてウォズは電卓を売り、ジョブズは車を売ってアップルを設立する。
当時の二人がどんなものかはP115でロン・ウェインがこう言っている。

「まったく似てないふたりでしたが、パワフルなチームでした」
ジョブズは悪魔が憑いているのではないかと思うような言動をすることがあったが、逆にウォズはナイーブで、天使とたわむれているような人間だった。


かといって、ウォズは決して自分の能力に無自覚なわけではなく、役割分担をわかっていた。
ウォズの父が、ジョブズに「おまえはたいしたことをしていない。なにも作っていないじゃないか」と言うシーンがある。
ジョブズは泣きながら、パートナーシップを解消してもいいとウォズに提案するが、ウォズはそのままで良いと言う。


一方、さすがにギークらしく、ジョブズを相手に強く意見をいうこともあった。
アップルIIのとき、ジョブズは拡張スロットを2本にすると言ったが、ウォズは8本を主張した。

「ぼくが人と争うことはめったにない。でも、このときだけは違った。『どうしてもそうしたいのなら、どこかほかでコンピュータを手に入れろよ』って言ってやったんだ。」


開発者としては気持ちの良い言葉だ。こんなに良いものは自分以外に作れるわけがないというわけだ。
ただ、それに続けて「あのころのぼくは、こう言えるだけの立場にいた。でも、ずっとそうだったわけじゃない」とも言っている。
結局、アップルIIの拡張スロットは8本になる。
アップルのIPOのときも、ジョブズはとてもシビアだったが、ウォズは自分の株式を職位が高くない社員40人に安く売った。それは家を買えるくらいの額になった。
IPOの後は、あまりウォズの話は出てこなくなる。

その後

アップルIPO後、ジョブズは紆余曲折がありつつもマッキントッシュを作ることになる。
ウォズはしばらくアップルIIの部署で開発を続けるが、退職する(結局、アドバイザーとして留まることになる)。
ジョブズはアップルを追い出され、NeXT、ピクサーと活動の場所を変えていく。
NeXTでは結果的に失敗に終わり、ピクサーで資金が底を付きそうになる。
それでもジョブズはジョブズでありつづけ、ラセターとともにトイ・ストーリーを成功させる。
その間に結婚もするし、子供も生まれる。
そこまでが「スティーブ・ジョブズ1」で書かれている。


率直な印象を言うと、ジョブズはLSDもやるし風呂には入らないし嘘はつくし人の話を聞かない。
どうにもこうにもダメ人間という印象が拭えないが、強さがある。
ここぞというときの強さ、それに人を惹きつける力がある。
2は、アップルに戻るところから。ここからが本番だと思っているので、続けて、楽しく読んでいきたい。