南極の図書館

ペンギンが寝ていた…。

「ご冗談でしょう、ファインマンさん」

「ご冗談でしょう、ファインマンさん」を上下とも読んだ。最近本屋に行くとよく積まれているのだが、結構売れているのだろうか。



本書はノーベル物理学賞をとったリチャード・P・ファインマンの回想録となっている。回想録とは、自伝ではないということらしい。

人生好きにやっていいんだよ

読んですぐ感じたのは、これは若いうちに、できれば10〜15歳くらいで読んでおくと価値観の形成に良さそうだということ。
ファインマンは幼い頃はもちろん、いい歳になっても好きなことをやっているわけだが、そこから「人生は好きなようにやってもそんなに問題は無い」ということを感じて欲しい。
親に怒られることはやっちゃいけないとか、そんなことはないよ。
ただしその代わり、全ての責任は自分で取るという気概でいること。そういう姿勢であれば何をしても良いんだよ。

下から見たロスアラモス

で、本書はそれなりに歳をとってからどういう考えを持つかということも書いてある。
歳をとると、好きなことをやっていては現実は上手く回らないということがわかってくる。どうにか折り合いをつけなければならない。
ファインマンはやんちゃなことをやっていても押さえるべきところは押さえているわけだ。
そういうところも勉強になる。ノーベル賞を取れるかは別として、押さえないと。


あとは、自分の考えを持てということ。
若いうちは自分の考えというものが曖昧かもしれないし、曖昧どころか考えてませんということもありえる。
そのあたり、例えばマンハッタン計画のくだりを読んで、戦争や原爆について率直にどう思うのか。
で、そこから、何か問題があったときに自分はどう考えるのか。
こういうのは歳をとるごとに培われていくものだと思う。
本書ではファインマンプルトニウムのかたまり(デーモンコア)を触っているシーンがかかれている。
チームで原爆の威力をいかに上げるかを考えるシーンも書かれている。
人類史上初の核実験(トリニティ実験)についても、ファインマンが見たときの詳細な描写が書かれている。
これを読んで何も思わないことはないだろう。
何を思うか、それこそが自分の考えになっていく。


ちなみに、章題「下から見たロスアラモス」は、「下っ端」から見たマンハッタン計画という意味らしい。
ロスアラモス国立研究所 - Wikipedia
トリニティ実験 - Wikipedia

口説くときは奢っちゃいけない

個人的に、一番好きなのはココ。
シリアスじゃないエピソード。ファインマンがバーで女性を口説いて、まったくうまくいかなかったというところから始まる。


ある人から「紳士になってはいけない。まず第一に、女の子には何も奢らないこと」と教えられる。
ファインマンは、そんなバカなと思いながらもやってみたところ、うまくいってしまう。
(しかも、間違って奢ってしまったので「金を返せ!」と言ったわけだ。)
これ、今なら分かるけど、若いうちはわからなかったなと思う。

まぁ、若いうちに読んどくと良いよ。