保険とは何か。国民の7〜8割が知らない国民年金と保障について。
前回は「保険のカラクリ」について書評を行った。
http://d.hatena.ne.jp/holypp/20100115/1263575730
今回はそれを踏まえ、保険周りについて具体的に書くことにする。
先に結論から書くと、
「もしものことがあった場合」は、基本的には「公的保障」で何とかすることになる。 それでも足りない場合、というか普通は足りないので、「福利厚生・貯蓄」を次に考える。 いわゆる「保険」というのは、その次の「最後の手段」となる。
というのが、私の意見であり、以後でてくるURLにも同様のことが書いてあるので、参考にして欲しい。
それでは、ここからは以下の流れで説明する。
・日本国民は、死んだらどうなるか。病気にかかったらどうなるのか。
・そのとき、具体的にどう困るのか。又は困らないのか。
・困ったときに、その備えは保険である必要があるのか。
・補足
日本国民は死んだらどうなるのか、病気にかかったらどうなるのか。
死亡保障
まず死んだ場合。
国民年金を払っていれば以下のような保障が受けられる。
・具体例
妻に年79万円支給される。
子供は1人あたり追加で22万円支給される。(3人目からは別計算で、子供の分は18歳になった年度末で打ち切り。)
妻が40~65歳であれば追加で59万円支給される。
つまり、妻が40~65歳で子供2人ならば、年間172万円の保障を受けることができる。
また、団信付き住宅ローンを契約している場合は、契約者が死亡したときにローン残額は保険金で清算される。
関連URLはこちら。
社会保険庁:遺族年金
遺族年金 - Wikipedia
医療保障
月収53万円未満の会社員の場合、1カ月に100万円の医療費がかかっても、実際の出費は約9万円となる。
保険保障外のものについては別。(差額ベット、美容整形等)
・具体例
標準報酬月額が53万円未満の70歳未満の人(被保険者全員の基礎控除後の所得が 600万円)の場合、同一の1ヶ月間に同一医療機関の支払った医療費総額(10割相当)が500000円だった場合。(3割負担の人の場合実際に支払った金額は150000円)、払うのは150000円ではなく、82430円となる。
(100万円なら、87430円。給与が53万円以上の場合は、100万円なら155000円。)
関連URLはこちら。本制度は80101円から使えると思われる。
社会保険庁:保険給付(被保険者に関する給付)
ここで、なぜ年金を払うだけでこんなにも至れり尽くせりな保障が受けられるのか、と思う方も居るだろう。
それは「国だから」という答えになる。
民間の保険は、つぶれるわけにはいかないので、赤字を出し続けるわけにはいかない。
公的保証は、税金を使える分(使い過ぎは困るが)、払う金額に比べて保障は厚くなっている。
「年金なんてはらわねーよ」と思ってる人がいたら、遅くはないので今から払おう。
65歳からもらえるいわゆる「年金」だけではなく、上記を含めた合計5つの保障が受けられるのだ。
ちなみに、前回も書いたがこれらの認識率は日本ではかなり少ない。なぜ義務教育で教えないのか。
以下のURLのタイトルにもあるが「年金なんてもらえないから払うやつはバカだろ」とよく聞くが、考え直したほうがいい。正気の沙汰ではない。
これ以上に割のいい保証は絶対にない。
関連URLはこちら。
国民年金に加入しない!」…って正気ですか?
終身保険は解約しないと損!
そのとき、具体的にどう困るのか。又は困らないのか。
以上より、死亡の場合は、支給額では足りないと感じたら困ることになる。
急病で入院したときは、月に10万円程度払えないのなら困ることになる。
困るのならば備えなければいけない。
困るかどうかは自己判断である。
困ったときに、その備えは保険である必要があるのか。
まず、ここで困るというのは「金銭的に困る」という話だ。
要するにお金があればいい。
そこで、最初に考え付くのは、貯蓄か、保険か、だと思う。保険には大きくわけて貯蓄と保障の要素があるので、選択肢としては3通りとなる。
・貯蓄(銀行預金等)
自分で預けた額+保障される利回りが得られる。
・保険(貯蓄)
養老保険等、積み立てていくことで、満期になったときに一定の額が支払われる。
・保険(保障)
毎月いくらかの支払いを行い、契約者が亡くなった場合等に遺族に決まった額が支払われる。
貯蓄には保険か否かで分けている。保険には以下の特徴があり、基本的にはオススメしない。
・手数料が比較的高いこと。
例えば銀行ならば、100万円預けたら100万円から開始になるが、保険はそうならない。
100万円預けたら、開始は95万円など、まず先に手数料を取られる。
バブル期は利回りが高かったのでそれでも保険の方が得だった。最近はそうではない場合が多い。
・単独の商品では無い場合が多いこと。
死亡保障もついていたり、本来必要のないサービスが入っていて、割高になることが多い。
これは「生命保険のカラクリ」に詳しい。
保障系の保険(定期保険等)は必要なタイミングで加入し、見直すのを薦める。
補足
ここからは私個人の意見を書くことで付け足しとする。
・死亡保険は掛け捨てで、タイミングを見て入る。
具体例として、結婚して奥さんが専業主婦の場合は、その時点で「掛け捨ての死亡保障」に加入する。
子供が生まれたら「補償額を見直す」こととする。
・「医療保障」は入らない。
そのかわり、貯金する。
・「貯蓄関連の保険は、一切入らない」
貯蓄はできれば保険以外で。ただし、景気が良くなり利回りがよくなったら加入を検討する。
(例えば、バブル期は保険会社の利回りがかなり高かった、今後もそういった場面があれば考える。)
以上、個人的な意見なので最適とは限らないが、参考にしていただければと思う。
(1/18 10:10加筆修正)